土地家屋調査士の社会貢献

土地家屋調査士の社会貢献

土地家屋調査士倫理規定第6条「調査士は、その使命にふさわしい公益的な活動に参加、実践し、公共の利益の実現に努める」を実践するため下記の活動 を行っています。

京丹後市との防災協定締結

私共は、府民の皆様がお困りの時、いつでも力になれるような体制を整えておきたいと考えておりましたところ、平成29年5月11日京丹後市と「災害時における被災者支援に関する協定」を府内で初めて締結しました。
 本協定により、京丹後市で地震、水害などの大規模災害が発生した場合に、土地家屋調査士業務の範囲で、土地・建物登記や境界不明等に関する被災者への相談など、京丹後市が必要とする支援を行います。
 災害発生後に、地元地理に詳しい私たちの情報などで、市民、行政を支援して参ります。
 今後も、行政と連携し社会貢献を通じ公共の利益の実現に務めて参ります。

京都における空き家対策
〜空き家対策・所有者不明土地問題への取り組み〜

私共は、社会問題となっている「空き家対策」「所有者不明土地問題」について「所有者不明土地・空き家問題対策委員会」を設置し、取り組みを行っております。
 空き家対策への取り組みとして、空き家特措法が施行された平成27年度より、京都府下各市町村の空き家担当窓口を訪問し、取組状況・協議会・条例等の設置状況などの聞き取り調査を行い、空き家対策への取組に苦慮されている担当者への対応策として、各行政担当者を対象とした「空き地・空き家サポートデスク」を開設し、困りごと相談窓口として利用して頂けるよう取り組んでいます。
 空き家問題が世間でも騒がれるようになってきた平成29年度においては、京都府下の市町村においても「空き家対策等協議会」が設置され始め、本会においても委員の推薦依頼を頂き、現在では「京都市」「福知山市」「京丹後市」「宮津市」「京都市山科区」「与謝野町」「城陽市」へ委員として会員を派遣しております。
 また、平成30年2月5日には、「亀岡市」と「空き家バンク運営に関する協定」を締結し、協力をさせて頂く事になり、平成30年12月18日には、「京丹後市」と「空家等対策の推進に関する協定」を締結し、各士業団体と連携して協力させて頂く事になりました。
 「所有者不明土地問題」への対応としましては、現在政府においても対策が進められており、政府方針等の情報をいち早く収集する為、各種研修会・研究会に委員を派遣し、本会が取り組むべき対策に向けて協議・研究を進めております。
 今後も、本会としての取組についての方針・対策などを協議し、各行政機関への連携・働きかけを積極的に行い、空き家対策・所有者不明土地問題へ取り組んでまいります。

京都土地家屋調査士会での無料相談会

私共は、境界のプロフェッショナルである土地家屋調査士を知っていただき、また、土地、建物の不動産表示登記や土地の境界問題で困っている方のお役に立てるように多くの無料相談会を開催しております。
 土地や建物に関してお悩みをお持ちの方で、どこへ相談したらよいのかよく分からない方も多くおられると思います。専門外の相談であった場合には、関係士業団体のご案内をさせていただきますので、ご安心ください。
 土地家屋調査士が親身にご相談させて頂きますので、ぜひご利用ください。

金融機関特別セミナー

私共が登記申請業務を通じて金融機関行員の方々と接するとき、表題部の登記に関して質問を受けることがよくあります。例えば、建物表題登記を行う場合、「建築確認済証の床面積と登記面積が異なるのですがなぜですか?」などの問合せ。また、土地については、「土地地目変更登記は、いつどの時点で申請できますか?」などの質問です。
 このような問合せは、金融機関行員の方々から直接質問を受ける場合もあれば、司法書士の方々から間接的に問合せがある場合もあります。
 このような質問への回答は、場合によっては専門的な内容を説明する必要があることから、間接的に回答することはとても難しいものです。また、間接的に回答を受け取られた金融機関行員の方々にとっても、なかなか理解し難いものであると想像します。
 それならば土地家屋調査士が、直接金融機関へ出向いて、行員の方々を対象とした出前のセミナーを行い、土地家屋調査士が行う業務内容と、ローンに係る土地や建物の登記申請の実務について理解を深めて頂く必要があるのではないかとの考えに至り、特別セミナーを開催させていただいています。

【出前セミナーの開催実績】
第1回 平成29年10月13日 京都銀行(場所:金融大学校「桂川キャンパス」)
第2回 平成30年11月13日 京都信用金庫(場所:本店)
第3回 平成31年2月9日 京都中央信用金庫(場所:十条ビル)
第4回 平成31年2月14日 京都北都信用金庫(場所:本店)

金融機関の方々に限らず、ご要望がございましたら出前セミナーを開催させていただきます。

北桑田高等学校 特別授業

北桑田高等学校には、府下の高校では数少ない測量実習を行うカリキュラムがある森林リサーチ課が設置されています。同課における測量実習では旧式の測量機器であるマニュアル式セオドライトが使用されていることから、「最新式のトータルステーションを用いた測量実務作業を生徒に経験させたい」という担当教諭の要望がありました。そのような要望をうけ、平成26年度より毎年秋に1度、京都土地家屋調査士会が出前特別授業を行っています。
 特別授業の内容は、午前は校内の現況を測量する外業、午後は測量した内容をCAD化する実習と、測量に関連した仕事に関する講義です。
 まず午前中は生徒を3~4名程度の班に編成し、各班に2人の京都土地家屋調査士会の会員が指導員として担当しました。そして、班ごとに最新式のトータルステーションを用いて、実際に高校の校内を測量しました。生徒たちは、トータルステーションの操作もすぐに覚え、手早く作業を進めていきます。
 午後の授業は教室内にて班ごとにわかれ、京都土地家屋調査士会の会員が持参したノートパソコンで、CADを駆使して作図作業を行いました。また、測量をした成果が、どのように社会に役立っているかについて、「なぜ測量が必要なの?」と題した講義をしました。生徒たちは、校内の現況図がモニター上に現れる様子に、感動や面白さを感じていた様子でした。

京都産業大学寄付講座

京都産業大学の寄付講座は、平成15年度に開講させていただいて以来、令和元年度で17年間続いています。寄付講座では、例年前期に15回の講義を行っています。毎年顔ぶれは変わりますが、約10人の京都土地家屋調査士会の会員が講師を担当しています。講義の内容も、講師陣の個性と努力によって毎年少しずつ変わっていっていますが、『土地家屋調査士の仕事が、実社会においてなぜ必要なのかを学生に理解してもらうこと』を、基本的な目的としています。
 15回の講義は、土地家屋調査士の過去・現在・未来(土地家屋調査士制度の成立から、現在の状況・課題、そして、これからの社会と登記制度)といった構成になっています。学生にとっては、少し難しいと思われる内容もありますが、全ての講義を受講した暁には、社会人になった後には必ず役立つものであると信じています。
 土地家屋調査士の仕事を学生に知ってもらいたい、ということで始まった寄付講座ではありますが、その面だけではなく、我々自身が土地家屋調査士の社会的役割を再認識できる場であり、土地家屋調査士としてこれからの社会にどのようにかかわっていくのかを、考えさせられる場となっています。

インターンシップの受け入れ

私共は、毎年、京都産業大学のインターンシップ生を土地家屋調査士事務所で受け入れています。
 インターンシップ生には、約2週間にわたって実際に土地家屋調査士の日常業務、最新式の測量機器を用いた実際の測量現場や土地境界立会の現場、測量だけにとどまらず、建物に関する登記はもちろん、受け入れ各土地家屋調査士事務所の特色を体験して頂くプログラムとなっています。
 土地家屋調査士は独立して業を営む有資格者ですので、いわゆる『自営業者』に該当します。自営業では、高度な専門的判断から日常の細かな雑用まで、何でもしなければなりません。これから社会人になるインターンシップ生にとっては、これが貴重な体験になると思います。業務を通して視る実社会を感じて頂き、その後の人生、就職活動、社会人となっても、インターンシップで培った経験を糧として羽ばたいて頂くことを期待しております。
 当会インターンシップにご参加いただいた学生の皆さんからは、『土地家屋調査士の業務を内業・外業と多彩に体験でき、様々な人々と関わり、人と人との信頼関係の大切さなどを学ぶことができました』というような感謝のお言葉をいただいております。